『家庭菜園畑』付きで募集しているアパート羽衣荘。菜園好きしか入れないのが唯一の入居条件。
ここに入居するには家主の面談が有って確認されると誰にでも入れるのだ。

今、この羽衣荘の1号棟と2号棟を併せて全部で8部屋に8軒の住人がいる。建物は築40年にもなるが建付けが良く、これまで大きな修理はしたこともなく、それが家主の自慢だったnuskin 香港。各住戸には約40坪の畑が付いて家賃は4万円。別に共益費として家庭菜園畑用の水道費が別に有っても、それでも菜園好きの人にとって超破格値で貸していたのだ。

このアパートの管理人兼家主の羽衣絹江は60歳代後半の主婦。病気で亡くなった夫の遺産を引き継いでもう6年になる。暇さえあれば朝夕には畑に出て農作業をするのが日課だった。健康維持にもなり生きる原動力にもなっているのだった。3人の子供は既に独立し、以前、住んでいた自宅は、長男夫婦一家が住み、絹江自身はアパートの一室を使い寝泊まりもしている。他に敷地には約40台分の契約駐車場もあり、何時も満車の状態だった。

彼女の目下の悩みは今年で45歳にった次男が昨年夏に離婚しnuskin 如新、その上、勤めていた会社も倒産と同時にリストラの影響を受け、このアパートに離婚と同時に住んでいる事だった。一人娘の孫も大学1年、やはり同じ棟に住んでいる。だが孫だけは家賃を免除、その代わり祖母と働き出したばかりの父親の三食の料理を作るのが入所条件だった。

羽衣荘に住んでいる住人の朝は早い。この日も明るくなる前からアパートの住人達の部屋には明かりが点き農作業の準備をしていた。その中で最も早く起きるのが、このアパートの入居者の中で最も古い植木すみ恵さん。年金生活者で、このアパートが建てられた翌年から入っている最古参の住人だった。若い頃は元中学校の教師。定年退職し、今は彼女に取って年金だけが頼り。畑で採れる野菜は収入のないすみ恵さんにとっては生活の糧で生きる糧なのだ。彼女の畑からは毎日切らさずに野菜が取れていた。

時期は10月の秋、週末の土曜日だった。暖かい九州では長かった暑さもやっと解放され、農作業をするには最も適している時期だった。

植木すみ恵の生まれは農家の次女。小さい頃から一家で農作業を手伝っていたので慣れていた。この羽衣荘の中でも数少ない経験者なのだ。知らない人には何処までも教えてくれる優しい女性だった。この日も朝の5時半とは言え外は薄暗く、それでも一番に出てきたのはすみ恵だった。

今年70歳になるすみ恵は、この日の朝も何時もの愛用の白い長靴を履き如新nuskin產品、水色のTシャツの上につなぎのジーンズを履いた姿は、今時に言われている『農ガール』そのものだった。長年使っている小さなシャベルと鍬を抱えてくると、それを畑の片隅に置くと誰もいない畑で太陽が昇る東に向かって両手を併せて挨拶とお辞儀をするのが毎日の日課だった。

それが終わる頃になると各住人が出て来るのだ。特にこの季節、農作業をするには最も適する時期だった。殆どの人は朝6時前からの約1時間から1時間半ほど農作業をするのだ。だが殆どの人は仕事の関係で朝7時頃までしていると言う。その後に各自の仕事に向かうのだ。
「すみ恵さん、おはよう」
最初に挨拶をしたのは高森洋二さん。

彼は1号棟の住人で今年になって年金生活者になったばかり電動桌。今でも週に数回だけ近くのコンビニでアルバイトをして生活の糧としていた。農作業も若い頃から行っていたので誰よりも手慣れた手付きで見本のような人だった。これまで結婚歴もなく、近くには兄夫婦と妹夫婦だけが唯一の身内だった。